今回ご紹介するのは、高さ2㍍から3㍍になる落葉低木で、枝の中が空洞になっていることと谷間に群生していることから谷空木(タニウツギ)の名前がつけられました。
5月から6月に小枝の先や葉の脇にじょうご形の淡紅色の花を散房花序(さんぼうかじょ)につけます。
散房花序(さんぼうかじょ)とは、主軸が短くそれより長い柄を持った花が間を詰めて生じるものでわかりやすくいうとサクラのような咲き方のことです。
今回は、このタニウツギの正確な花の時期と詳しい育て方をガーデニング初心者の方にもわかるように解説していきます。
この記事を最後までお読み頂ければタニウツギの詳しいことがわかり実際に庭木などにして育てることもできます。
順を追って説明をしていきますが、特に知りたいことがあれば目次から自由に見ることができます。
タニウツギの概要
- 別名:ベニウツギ
- 科名:スイカズラ科
- 種別:落葉低木
- 花期:5月から6月
- 栽培適地:日なた/半日陰
- 花言葉:「豊麗」=ほうれい
もくじ
タニウツギの開花時期はいつか?
タニウツギの開花時期
タニウツギ(別名:ベニウツギ)は、前途したようにじょうご形の淡紅色(種類によっては白もあり)の花を枝先や葉の脇に咲かせ、その開花時期は地方によって変わりますが、平均して5月から6月です。
そのタニウツギの美しい花を咲かせるためには、これから説明するタニウツギの育て方が重要になってきますのでぜひお読み下さい。
タニウツギの育て方
植え付けの時期と方法(庭植え)
タニウツギの庭への植え付けは10月から翌年の3月(詳しくは、10月から11月と2月から3月の2回できる)が適期で、根鉢(根を広げた広さ)の約1.5倍、根の広さが30㌢なら約50㌢の幅の穴を掘り堆肥や腐葉土を混ぜ込み根がよく張れるように土を柔らかくしておきます。
ここで言う堆肥や腐葉土は、本来肥料として使うのではなく、土壌の改良剤として痩せ地などに使います。
タニウツギを植えたい場所が痩せ地や砂地でしたら肥沃な土を混ぜ込んであげる、いわゆる客土(きゃくど)をした方が良いです。
また、ここで説明している植えつけとは、新しく植え付けることであり、すでに植えてあったタニウツギを植え替える移植のことではありません。
移植は、新しく植える場合と違い時期は2月から3月が適期で植え付けの時期の10月から11月は植え替え(移植)の適期ではありません。
タニウツギは山野に自生する自然の植物ですので、自生している株を採ってくるのは大変難しいので、ここで多少値が張りますが、こちらの公式サイトから購入できるのでご紹介いたします。
タニウツギの苗はこちらからどうぞ。
鉢植えの方法
タニウツギの鉢植えは、萌芽力(ほうがりょく)が高いのでとても向いていますが、庭植えのように、植えるとき堆肥は使いませんが、時期は庭植えの時期と同じです。
鉢植えに使うものは、素焼き鉢が最も向いていますが、通気性、排水性が良ければ化粧鉢以外なら大丈夫です。
個人的には(経験的には)6号(1号3㌢なので18㌢)の素焼き鉢を使うのが良いと思いますしタニウツギ以外でも使い回しが効くので便利です。
素焼き鉢(6号)=18㌢を用意をしたら鉢穴に安価で売られているネットを使い土が流れ出ないように覆います。
土は、腐葉土を細かく砕いて適量混ぜるのですが、メインとなる土はホームセンターなどで売られている「園芸用土」で十分です。
土には堆肥は入れないと前途しましたが、代わりにマグアンプKなどの緩効性化成肥料を適量混ぜます。このマグアンプKの特徴ですが、植物の3大栄養素は、葉を茂らせる窒素(ちっそ)、花や実をならせるリン酸、根や茎を丈夫にするカリがありますが、このマグアンプKは窒素とカリを抑え花つき、実つきを良くするリン酸を多く配合しています。
更にこの栄養素をフルに活かすために、そのほかの栄養素にあたるマグネシュウムを多く配合しています。
使い方と効果は、土に混ぜるだけで、植物の根から出る酸や土の中の微生物の働きでゆっくり溶けて効果を発揮する緩効性(かんこうせい)の優れた肥料で、その効果は2年と長く効き目があります。
使用する量の目安は、花壇、菜園には1平方㍍(1辺が1㍍)あたり300㌘、65㌢のプランターで60㌘、5号(15㌢)の鉢で、10㌘、6号(18㌢)鉢で15㌘が目安ですが、先程もいいましたように緩効性の肥料のため肥料やけの心配がとても少ないのが特徴です。
マグアンプKの配合比率は、窒素6、リン酸40、カリ6、そしてマグネシュウムが15になります。この比率からみても花つきを良くするリン酸がほかの要素と比べ多く配合されています。
マグアンプKはこちらから確認できます。
肥料の話は終わり、育て方に戻ります。浅植えにも深植えにならないようにして植木鉢の上の方を1㌢くらいあけて排水性が良いか確認するウオータープールを必ず設けましょう。ジョウロなどで水を与えた場合にすぐに水が引いていき鉢の下穴から水が流れ出れば排水性が良いということで、反対にいつまでもウオータープールに水が残っているのは排水性が良くない証拠です。
何故、水はけが良い土が良いのかといいますと植物の根がいつまでも水に浸かっていると根腐れなどを起こす可能性があるからです。
また肥料とは別にして活力剤のリキダスがありますが、私も使っていてこれがすぐれもので各種ミネラルの鉄・銅・亜鉛・モデブリンなどを配合し植物に活力を与えます。
特に目立つのは、根張がよく成長がとても良いですので私も使っていますが、450㍉リットルで価格が1,000円未満なので1回に使う量は5㍑の水に約5㍉㍑しか使わなくても効果がありますので1本購入すれば長い期間利用できる植物価値力剤です。
活力剤リキダスはこちらです。
水やりのタイミング
水やりは地植えの場合は、植え付けるときにたっぷり与えれば、長く雨が降らない場合を除き特に与えなくても大丈夫です。
鉢植えの場合は、前途したウオータープールの土(わかりやすく言うと土の表面)が乾いたらたっぷり与えます。
ただし、与え過ぎも良くありませんが、植木鉢という限られたスペースで成長するため乾燥しすぎてもいけませんが、多湿になっても根腐れを起こす原因になります。
日当たり(光合成)
植物はシダや苔(こけ)などの一部の植物を除くと日当たりはとても大事で、日当たりが良いか、悪いかで成長も花つきも違ってきます。
タニウツギも例外ではなく、全くの日陰では思うように成長しません。半日陰(木漏れ日)でも良いのですが、やはり日当たりが良いのがベストです。
整枝・剪定の時期と方法
タニウツギの整枝・剪定は2月と7月ですが簡単なのであまり説明することはありませんが、放任(手入れをしないこと)すると3年から4年で大株になりますので、花つきも良く樹形も良い2年から3年目の枝を鑑賞し4年目からの古い枝は、地際から切り取り新しい芽を出させ株を新しく更新しましょう。
殖やす時期と方法
タニウツギを殖やすのは2月下旬から3月に挿し木をしますが、前年生(2月から3月に挿し木をするので前の年に伸びた枝)の枝を使い挿し穂(挿す枝)は10㌢から15㌢に切り細かい赤玉土や鹿沼土に挿せば翌年には花を咲かせます。
特に発根しやすくする方法は挿し穂の切り口を鋭い(よく切れる)刃物で切ったり挿す前に水を吸わせておけば更に効果的です。
また、発根剤として有名なメネデールやルートンなどを挿し穂の切り口に塗ってあげれば更に発根が促進され失敗がありません。
施肥の方法と時期
タニウツギの施肥の時期は、2月と9月ですが、成長の早い植物なので肥料は控えめにします。特に窒素分を多く与えてしまうと花が少なく葉ばかりが茂り大きくなりすぎることもありますので冬季と花後に化成肥料を与えるだけで十分です。
病害虫の時期と対処法
タニウツギにはあまり病害虫が付きませんが時にはアブラムシが発生しスス病を誘発するので見つけ次第捕殺します。捕殺に抵抗があるのならタバコを吸う場合は汁を筆などで塗ってやれば自然といなくなります。
利用の仕方
大株にして単植(1本植える)して庭木にしたり寄植えに利用するほか鉢植え盆栽などや切り花としても利用できます。
まとめ
- 開花時期は5月から6月。
- 植え付けは11月から翌年3月。
- 成長が早い。
- 庭木のほかに鉢植えや盆栽に向く。
- 挿し木で殖やす。
以上タニウツギについて開花時期や育て方を解説してきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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