植物をクローンで育てる方法をわかりやすく解説思っているより簡単

植物をクローンで殖やすと聞くとすごく難しいと思われますが、実は考えているよりすごく簡単です。

植物の殖やし方は大きく分けて2通りです。

実生繁殖(みしょうはんしょく)と栄養繁殖(えいようはんしょく)ですが、答えを言ってしまえば実生繁殖といえば、種まきで殖やすことで栄養繁殖の挿し木、接ぎ木、取り木、株分け、分球がクローン繁殖です。

ああそうなんだ!もっと難しいことかと思った、という方もおられると思いますが、原理(理屈)がわかってしまえば、簡単なことです。

その難しいと思われた『クローンのやり方』を種類別にわかりやすく解説します。

クローン繁殖を方法別に解説

挿し木

挿し木とはその名の通り挿し穂(殖やしたい枝)を土に挿す方法ですが、容易にできる植物と難しい植物があります。

サクランボの挿し木

植物の細胞の一種に‘‘カルス‘‘と呼ばれる組織がありますが、枝を切り(小枝でも可能)切り口を見ると緑色の所と白い所がありますが、外側の緑色をしたところが、“カルス“で、この細胞から根が出ます。

バラの挿し木

つまり挿し穂と呼ばれる殖やしたい植物の小枝を土に挿し根を出させる方法が挿し木という繁殖方法で、切り取る前の親株と全く同じものができるので挿し木もクローンによる繁殖方法といえます。

画像のものは挿し木で殖やしたものが成長したサクランボで切り取とられる前のものと全く同じ性質、つまり花の色、実の大きさ、形、味覚、全て同じなのです。

挿し木は簡単にできる方法と少しだけ難しい方法がありますが、方法というのは植物の特徴で少し手を加えないとだめなものです。

簡単に挿し木で殖やせるのは、バラ、アジサイ、椿、梅、桜、(桜のソメイ吉野は元々1本だったのが挿し木で、または接ぎ木で(接ぎ木は、挿し木の後で詳しく説明します。)繁殖したものです。

逆に挿し木ができるものでも少し難しいものは、金木犀(木犀全般)、沈丁花、クチナシ、栗、柿などです。

沈丁花

金木犀(木犀類)

クチナシ

因みに挿し木にする枝葉は本年枝(今年伸びた枝)あるいは、昨年枝(去年伸びた)を使いあまり古い枝を使うと同じ植物でも根が出にくいことがあります。

難しいとされる金木犀などの挿し木ですが、ただ挿すのではなく、挿し床の湿度を調整してやる必要がありますが、ただ単に株全体に、ビニールをかぶせる被せるだけでも何もしないよりは、挿し木が成功する可能性があります。

この挿し木の方法を密閉挿しとも言います。

また挿し木が容易にできるできないの植物には、関係なく活力発根剤の『メネデール』や『ルートン』を切り口に塗り挿せば、より発根が促進されます。

接ぎ木

接ぎ木もクローンで殖やす方法ですが、挿し木よりやや難しいです。

バラの接ぎ木

画像のように枝に切り込みを入れて台木の‘‘カルス‘‘と挿し穂の‘‘カルス‘‘を繋ぎ合わせる方法ですが、台木というのは、挿し穂により近い親和性の高いものを使います。

例えば、バラの場合は普通に野原に生えている野生の野茨(のいばら)を使います。
つまり同じ科目のものを台木として使い同じ科目の接ぎ穂を使います。

これ以外に、大きな木に無数に同じ植物の枝を接木して枝を多くする方法でも接ぎ木という方法を使いますが、どちらにせよ接ぎ穂は本来の品種と全く同じですので花の色が違うとか、実の大小があるとかそういう違った現象は起こらないので接ぎ木もクローンによる繁殖方違法といえます。

画像のものは、栗ですが古い枝をすべて切り取り(剪定)若い枝を接木して木自体を若がえりさせたさせたものです。

植物自体が(樹齢)衰えてきたら古い枝を画像のようにすべて剪定してしまい思い切って若返らせることも必要です。

画像のイラストは接ぎ木のイメージです。

画像のイラストのように台木を切断し接ぎ穂を台木にピタリとつけテープで巻いて日陰に置いておくのですが、うまく着くと挿し穂が成長を始めますが、失敗すると干からびてきますので結果はすぐわかります。

ここで台木の親和性について説明しますが、例えば、バラ科のびわの木を台接ぎに使い柿の木の接ぎ穂で接ぎ木しても全く親和性の無い物同士ですので活着はしないので、柿をつぎたいときは、富有柿を台木として次郎柿を接ぎ穂とすれば、同じ科目同士で親和性が高いということです。

つまりびわはバラ科で柿は柿の木科の植物ですので親和性がないということになります。

またホームセンターなどに行くとキュウリの苗やトマトの苗、なすの苗など売り出す時期がありますが、同じ植物の苗なのに何故か片方は高いという場合がありますが、

挿し木で作った苗はやすく接ぎ木でつくった苗は倍以上の値段がしますが、接ぎ木で殖やした方が成長が良いし手間もかかっているので高いのです。

画像は一般的な野菜の接ぎ木ですが、左が台木右が穂木になります。

取り木

取り木とは殖やしたい植物の枝に傷をつけてカルスという組織を出してそこに水コケなどを巻発根させて切り取るという栄養繁殖のやり方です。

取り木用に枝を剥きカルスを出したもの

むき出しになったカルスを水コケでくるんだところ

取り木では挿し木と接ぎ木とは違い親から分離しないうちにやる方法で高い位置にある枝を取るのが目的です。

この殖やし方も親から直接同じものを取ったので同じ性質のものができるのでこれもクローンといえます。

この取り木は栄養繁殖=クローンの中では、一番簡単で確実な方法で杉などの一部の植物を除けば、大体の植物に応用することができます。

株分け

株分けはそのままのことで大きくなった植物の株を複数に分けることです。

この方法も簡単なクローンでの繁殖ですが、株分けできる植物は限られています。

株分けは、分けたい分だけ自分の思う通りにすればいいのですが、分けた株に十分根がついていることが条件になります。

株分けできる植物は、『ギボウシ』、『芍薬=しゃくやく』、ハーブ類、アヤメやジャーマンアイリスなどが、代表的です。

ギボウシ

ギボウシの株分け

ガーベラ

ガーベラの株分けの例で、イラストを載せていますが株分けは、ほとんど同じやり方です。

そのほかにもアヤメやジャーマンアイリスなども株分けで殖やすのが一般的です。

アヤメ

ジャーマンアイリス

アヤメあるいはジャーマンアイリスの株分け

このように株分けも親から直接分けるものなので、クローンの方法のひとつです。

分球

分球とは球を分けることなので、一つの球根を分割することですが、2通りあり1つが自然分球もう1つが人工分球です。

分球するほとんどのものが自然分球ですがグラジオラスの球根を分球するのは自然分球と2つに割る(切る)人口分球です。

チューリップ

ムスカリ

グラジオラス

チューリップやムスカリのほか殆どが自然分球でグラジオラスは自然、人工の2通りの分球方法です。

画像のものは自然分球した球根ですが、これも親から直接分けられるのでクローンによる繁殖といえます。

実生(種まき)と栄養(クローン)繁殖の違い

種まきで殖やす方法を実生繁殖といいますが、なぜ親の株から取った種で殖やすのがクローンではないかというと、実は種ができる時の授粉の段階で、いろいろな種類が混ざるということです。

市販のタネは多くがF1交配種(エフワンコウハイシュ)と呼ばれ他の品種が混ざらないような環境で授粉された種なので親と同じですが、普通に栽培を繰り返すと、違う色、違う品種が混ざってしまい本来の性質がなくなってしまい犬とか猫だと雑種みたいになってしまうので実生はクローンとは言えないのです。

まとめ

以上ご説明したように、実生は種まきで、種(しゅ)が混ざるからクローンではなく、栄養繁殖の挿し木、接ぎ木、取り木、株分け、分球は直接親から分けられたものなのでクローンといえます。

この他にもクローンの方法で‘‘メリクロン‘‘という方法がありますが、化学式を使ったりとても難しく一般的には行わないので、割愛させていただきました。

クローンの方法を流れに沿ってご説明しましたが、如何でしたか?言えることは動物のクローンは、かなり難しく原理、原則が一般的にはわかっていませんが、植物のクローンとは難しくない単なる栄養繁殖といえます。

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