芍薬(しゃくやく)は牡丹(ボタン)科牡丹属の植物ですが、分類は同じでも性質が全然違います。
今回はメインである芍薬の挿し木の仕方と育て方具体的な牡丹との違いについて詳しく解説していきます。
なおこの記事は故人ですが園芸界の大御所である柳宗民先生と江尻光一先生の著書から抜粋させていただきました。
結論としては芍薬は宿根草で牡丹は木本類の落葉低木で冬になると枯れて根だけが残る宿根草の芍薬に対し牡丹は冬に落葉(葉が散る)し休眠する草丈が低い植物でともに原産地が中国、朝鮮半島です。
芍薬の挿し木の仕方はどうやる育て方も解説
芍薬の挿し木の方法
冒頭で芍薬の挿し木と述べましたが実は挿し木はできず株分けという方法で増やすことができます。
株分けとは、その名の通りに花後に地上部が枯れてしばらくしたらハサミあるいはそれに準ずる園芸道具で根が多く残るように株を分けるのですが、細かく分け過ぎてしまうと翌年に花が咲かないことがあります。
この画像は芍薬を株分けしたものです。

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画像の左側が1つの大きい株に切り込みを入れて分けているところで、右側が実際に株を細く分けた(株分け)ものです。
ここまで細くしても根さえ残っていれば育ちますが花が咲くまでには数年かかりますから画像の大きさの株でしたら3つくらいに分ける程度がちょうど良く花期になれば花が見込まれます。(ガーデンコーディネーターとしての経験です)
株分けの時期は植え付けの時期と同じで9月の上旬から10月の下旬まででそれ以外の場合は苗を3月から4月頃購入して植え付けます。
購入の仕方は後ほど解説します。

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株分けに必要な道具
株分けに必要な道具は、包丁のような株を実際に分けるものと分けた株を水につけて置くバケツや安全のための手袋が必要で硬いものを切る(分ける)のですから力を入れすぎて怪我をしないように注意します。
株の植え付け
地植えの場合
芍薬は前途したように冬になると地上が枯れて根だけが残る宿根草ですが株の張りが大きくなり十分に根を張るためには深く耕して植え付けるべきで少しだけ掘り返しても芍薬は十分に育ちません。
理想的な穴の深さは40㌢位で芍薬は(牡丹も同じ)肥料喰いなので有機質の堆肥や牛糞、鶏糞、腐葉土などをたっぷり与えます。
この時肥料を入れたら土を少し戻し根が肥料に直接当たらないように気をつけるのですが、植える時根が当たると肥料負けを起こし根腐れして枯死(かれる)しますので十分気をつけます。
後先になりましたが、排水性が良い土の状態にすることはもちろんのこと必ず日が良く当たるところに植えて下さい。
また水やりですが植えた時にバケツ1杯程度の水を与えればあとは天気が良く乾燥してもあまり水やりは必要ありません。
ここで紹介したいもものがありますがそれは芍薬の苗です。
楽天の商品ですが比較検討して選びました。
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鉢植えにする方法
鉢に植える時はある程度大型の植木鉢を選びますが理想的なのは8号以上の素焼き鉢が良く大きくても10号のサイズが適切です。
植木鉢の詳細ですが、素焼き鉢とはレンガのような素材で焼かれたもので排水性が良く保水性も良いまた水持ちも良いのが特徴的ですが欠点はあまり大きいと重く移動が困難になるので前途したサイズの8号(1号約3㌢×8号)で直径24㌢の鉢から10号(3㌢×10)直径30㌢の植木鉢です。
普通は草花なら5号程度で十分ですが芍薬は根張と株張りが大きくなりますのでこのような小さいサイズの植木鉢では思うように育ちません。
植木鉢に植えるコツは水はけが良く水持ちが良い土が理想的でじょうろで水を与えた時に鉢穴からさっと水が流れでる土の状態がベストです。
また植木鉢一杯に土を入れるのではなく上を少しあけて水はけが良いか確認するためのウオータープールを必ず設けましょう。
肥料は植木鉢の場合堆肥など使わず腐葉土や化成肥料など匂いがあまりしないものを選びましょう。
苗を購入するポイントととしては丸く大きな花芽が多くあるものとあまり根を切り詰めていない苗を選ぶのが良いでしょう。

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まとめ
ここまで芍薬のことを解説してきましたがまとめとしては次の通りです。
- 芍薬は牡丹科牡丹属だが分類が違う。
- 芍薬は毎年花後に根が残る宿根草。
- 基本的に挿し木はできない。
- 庭に植えても植木鉢に植えても株ばりが大きくなる。
次回はマーガレットの予定です。
最後までお読みいただきありがとうございます。