今回ご紹介するのは前回に予告していた矢車草(ヤグルマギク)です。
ヤグルマギクは原産地が東ヨーロッパでキク科、別名矢車草の秋蒔きあるいは春蒔の1年草で花は乾燥させてポプリの材料になります。
それではヤグルマギクの詳しいことを解説していきます。
ヤグルマギクは春蒔か秋蒔か育て方を解説
ヤグルマギクは春蒔か秋蒔かの結論を先に言ってしまうと春蒔より秋蒔の方が生育が良いので秋蒔の方が向いていると言えます。
種の蒔き方
ヤグルマギクは移植(植え替え)を嫌うキク科の植物ですので1番向いているのが植木鉢に蒔きそのまま植木鉢で育て移植をしない方法と、植え替えないことを条件に花壇などに直まきする方法がありますが、今回は初心者でも管理がしやすい植木鉢での栽培に限って解説します。
植木鉢に蒔く方法
植木鉢にヤグルマギクを蒔くには4-5号の鉢が必要ですが、植木鉢のサイズは1号が約3㌢で4号とは3×4で直径12㌢で5号とは3×5で直径15㌢の植木鉢です。
材質は素焼き鉢が通気性、排水性、保水性などで優れていますが、蘭を植えるような化粧鉢は前途の要件を満たしてないので不向きです。
しかし優れているといっても素焼き鉢はやや重いのが難点で土を入れるとさらに重くなりますので小さめの4-5号の鉢を使います。
ヤグルマギクは種が大きいので蒔くのが簡単で、種が小さいベゴニアなどに比べると水やりも簡単です。

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上からじょうろなどで水を与えてもベゴニアの種などのように土から流れてしまうことはありません。
種蒔の手順としては4-5号鉢にホームセンターなどで購入してきた予め酸度や肥料の調整がしてある園芸用土に1鉢に付き4-5粒位蒔き必ず土をかけ十分に水やりをします。
このとき蒔いたあとに必ずウオータープールができるように浅まきでもなく深蒔でもないように注意しましょう。
ウオータープールというのは鉢の上を少しあけておいて水はけが良いか確認するもので水を与えたらさっと水が引き鉢の穴からすぐに水が流れ出るしかも表面があまり乾かないガーデニングの土の基本である水はけがよく水持ちが良い土の状態にすることがベストです。
画像のものはヤグルマギクの種です。

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発芽適温は25度程度で蒔いてから1週間で発芽が揃いますから土の表面が乾かないように気をつけこの時点では余計な肥料は与えないことが肝心です。
肥料のことは一番最後に解説しますので、蒔いた時の土に予め必要な肥料要素は含まれているので気にしなくて大丈夫です。
画像はヤグルマギクの発芽の様子です。

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発芽から花が咲くまでの管理
上の画像のように発芽した芽は混んでいる場合がありますので丈夫そうな苗を1鉢当たり3本位残し他の苗が浮かないように間引きます。
暖かくなる3月頃は苗がぐんぐん伸びて来ますので、3本残して間引き残った苗を更に丈夫な苗を1本残し間引きます。
1本立ちにして蕾がでてくる頃に即効性の液体肥料を1週間に1回1,000倍に薄めたものを与え花が咲き始めたら固形肥料を置いてあげると更に勢いよく株が育ちます。
ここでガーデンコーディネーターの私が使っているとても良い液体肥料がありますので紹介します。
植物に必要な肥料の3大要素の窒素、リン酸、カリが理想的に配合されている肥料でハイポネックスといいます。
この肥料は、約1,000倍に薄めて使いますが多少濃くても植物に何ら害はありませんから安心して使えますしもちろんこれが1本あればヤグルマギクに限らずどのような植物にも使えますので自信を持ってオススメします。
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花が咲きしおれたものはすぐ摘み取りますがこれは種をつけるために余分なエネルギーを使わないようにするためです。
また花時の水やりは土の表面が乾いたらたっぷり与えてあとは様子を見ながら必要なときだけにします。

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咲き終わった花は乾燥させてポプリの材料にしましょう。
最後に後で解説するといった肥料ですが、植物にとって最低限必要な栄養素は窒素、リン酸、カリの3大要素で記号では窒素がN,リン酸がP、カリがNとなっていますが肥料の詳しいことは他の記事で解説していますのでそちらをお読みください。
まとめ
まとめとしては次の通りです。
- ヤグルマギクは春蒔より秋蒔が向いている。
- 植え替えは好まないので育てる場所に蒔く。
- 種は大きいので蒔くのは簡単。
- 植木鉢(小さい素焼き鉢)で育てるのが最適。
今日の園芸用語。
- クチクラ
クチクラとは植物が光合成をするために葉の表面にあるのがこのクチクラという組織で植物の葉は薄いようですが、実際は何層にも細胞が集まってできています。
次回はリナリアの予定です。
最後までお読み頂きありがとうございます。
ガーデンコーディネーターより。